羅立文が3年連続でMVPを獲得
グランプリイースト第7戦@神奈川・バグース川崎店
羅は最終戦での大逆転でMVPを獲得
12月10日(日)、神奈川県の『バグース川崎店』で今年度のJPBA東日本最終戦、グランプリイースト第7戦が開催された。毎年グランプリの最終戦といえば『バグース六本木店』が長年の定番だったのだが、同店が惜しまれながら昨年末に閉店となったため、今年は川崎店で初開催となった。フォーマットはテンボールの交互ブレイク8ラック先取。
会場となった『バグース川崎店』
今年のグランプリ前半戦、6月の第3戦までは土方隼斗が3連勝を飾ったこともあって、年間MVP争いはほぼ決着が付いたという雰囲気だったのだが、ただ一人逆転を諦めていなかったのが羅立文だ。羅は第6戦で今期GP初優勝を飾って最終戦シードをゲットし、第7戦前に土方との差は80ポイントに迫っていた。
3位タイ・ジュリアン・セラディラ
最終戦、もし土方が3位タイ(140P)に入れば、例え羅が優勝(220P)しても同ポイントとなり、優勝回数の差で土方が年間MVPになる。土方は順当に前日予選を勝ち上がり、「マジック2」で決勝日を迎えた。ちなみにアマチュアMVPは第4戦で5位タイに入った村松勇志が初受賞だ。
3位タイ・鈴木清司
そして、この日の台風の目となったのが照屋勝司。今年第5戦で準優勝だった照屋は今年7戦中6戦で前日予選を勝ち上がるハイアベレージで、結果次第では年間3位も見えている。そんな照屋が初戦で引いたのが土方の隣りだった。
照屋はスタートから一気に飛ばして6-1と土方を追い詰める。土方も5-6まで追い上げたが及ばず、照屋が勝利。これで土方の自力でのMVP獲得はなくなった。照屋は準決勝で「優勝すれば年間3位」だったJ・セラディラに5-7から逆転勝ちして今年2度目の決勝へ。
準優勝・照屋勝司
反対の山を上がってきたのは、逆転MVP奪取が目前に迫った羅立文だった。羅はベスト16で稲見厚史にヒルヒルの辛勝スタートだったが、西尾祐と鈴木清司を倒して勝ち上がって来た。
JPBAのファンで照屋がシルバーコレクターであることを知らない者はいないだろう。第5戦決勝も絶好のスタートから遂に初優勝かと思われたが、百戦錬磨の栗林達にあと一歩及ばず。そして、7回目のチャレンジに立ち塞がったのは、ここまで対戦成績的には圧倒されている羅だ。
照屋は羅を追いかける展開になるも、必死にキューを伸ばして悲願の優勝を目指し、羅6-5で迎えた第12ラックがこの試合のハイライト。照屋が目の覚めるような⑥スーパーショットを放って⑦に出すと会場がどよめいた。だが照屋、この⑩を穴前に残してしまい、羅がリーチ。
さすがに勝負あったという雰囲気が流れたが、羅もさくっと決めきれずに7-6となり、次のラックの⑦でオープンから照屋に手番が回った時には会場の誰もがヒルヒルを予感した。だが、次のほぼ真っ直ぐな⑧を照屋が外してしまい、これが照屋のラストショットになってしまった。
2023年年間ランキングも決定。左端はアマチュア1位となった村松勇志、照屋は最終戦の成績で3位となった
羅、今期GP2勝、準優勝3回、全戦で決勝日進出という素晴らしい成績で、実に3年連続となる年間MVPをゲットだ。年間2位は土方、年間3位は照屋という最終順位となった。これでJPBAは2023年度の全日程を終了。2024年は1月末の関西オープンからスタートし、グランプリイーストは2月半ばに開幕戦を迎える予定だ。