平口結貴、優勝直後のコメント
寬仁親王牌 第56回全日本選手権国際オープン
兵庫県尼崎市の『あましんアルカイックホール・オクト』特設会場を舞台に開催された日本最高峰のビリヤードトーナメント『寬仁親王牌 第56回全日本選手権国際オープン』。女子ナインボールで初戴冠を果たした平口結貴プロに伺った優勝直後のコメントを紹介する。
――初ファイナル進出で初優勝、おめでとうございます。まずは優勝直後の今のお気持ちは?
平口 ありがとうございます。河原(千尋)プロとの戦いは厳しいものになることが多いので、その覚悟で挑んだんですけど、やはり厳しくなって、⑨が入って終わった直後はすごく嬉しかったんですけど、緊張して球が入らなくなってしまったのが続いたのは大きな反省点で、そこをもっと改善したいなと、今は率直に思っています。
――ファイナルの展開は少しラッキーもあって先行。その後点を取り合って7-4までリードしました。
平口 7-4の時も「あと2点だ」という気持ちが出てしまいましたが、そういうことがあるなとは予想していました。言葉にするのは難しいんですけど、自分の気持の高低でプレーが揺れてしまうことが多いので、その幅を良いゾーンの範囲内にしていく練習をしていたんですけど、やはり決勝は特に上がったり下がったりが、ラックを取るつれて激しくなってしまいました。
――決勝は終盤、ほんとにジェットコースターのような展開でしたからね。8-8で河原プロが取り切り態勢になった時はどんな気持ちでしたか?
平口 回ってくることを意識して座っていたので、「回ってきた、取り切れる配置だ」としっかり理解して、もう次は本当に外せないことはわかっていたので、自分がどう取っていくのか、テーブル上のボールを処理することだけを意識してプレーしていました。最後も緊張はしていたんですが、「出せる」と思わないで撞いていました。球が入ってくれるスピードでとりあえず入れるということに徹して、手球についてはある程度のラインだけに注意して、最後の⑨も「はいはい、そうですよね」っていう感じでした。もちろんコーナーに出すつもりだったんですが、一番ダメなのは、引けなくてサイドにスクラッチすることだったので。
――チャンピオンシップボールとしては相当嫌な配置でしたよね。
平口 嫌だった……。
――でも本当に良く決めたと思います。
平口 ありがとうございます。
――全日本選手権、3日間を通じての調子はいかがでしたか?
平口 これまでの全日本では、リーチをかけても追いつかれたり、先行されてしまったりという展開が多かったんですが、今回の6試合については、決勝以外は競るというよりある程度序盤からリードを取ってプレーできたので、今までの全日本とは違う展開で上手く戦えたかなと思いました。それだけに決勝は怖かったというのはあるんですけど……。
――見ていても強いプレイヤーのオーラが見えましたよ。
平口 今シーズンは自分が出したい成績を出せなくて、自信がなくなってしまっていたので、何がダメだったのかを考えて、練習して、まずは頭を整えるということにフォーカスして全日本に臨みました。今回も決勝では荒削りになってしまった部分もあったので、もっとそこを磨いて、コーチとも話し合って行きたいと思います。
――今のコーチは川端(聡)プロなんですね。
平口 はい。
――これで今年国内の試合は終わりました。結果としてランキングも上がると思いますが、来年はまた海外戦に出ていくんでしょうか?
平口 そうですね。自分を向上させるためにも積極的に挑戦していきたいと思います。
――今回初めてのMINテーブルの印象は?
平口 海外でもいろんなテーブルで撞いているんですけど、最近のテーブルに似ているなとは思いました。クッションの跳ね返り方とかもイメージしやすくて、すごくプレーをシンプルに考えられたので、私は好きなテーブルでした。
――それでは最後に会場やライブ配信で応援してくれた皆さんへのメッセージをお願いします。
平口 今シーズンはなかなか思うような結果は出せませんでしたが、今回、今年最後の試合で結果を出せたこと嬉しく思っています。いつも応援してくださっている皆さん、NIKKA5の皆さん、コーチ、お母さん、スポンサーの皆様、いろんな方々に支えられているんだなと、改めて実感しました。これからも精進していきますので、見守っていただければと思います。ありがとうございました!