A級・林武志、L級・谷みいな、B級・上野正治、キャロム・田中亮一が優勝【写真追加】
第21回 全国アマチュアビリヤード都道府県選手権大会(佐賀国スポ記念大会)@佐賀・福岡
キャロムの部入賞者。左から3位タイ・亀井日出夫、準優勝・三戸雅之、優勝・田中亮一、3位タイ・本松良
左から林武志、谷みいな、上野正治
10月8日(日)、アマチュアの全国大会「第21回 全国アマチュアビリヤード都道府県選手権大会(佐賀国スポ記念大会)」の決勝日が佐賀市の「session」(ポケットの部)と北九州市の「淡路」(キャロムの部)でおこなわれた。
L級3位タイ・岩下佐和子
L級3位タイ・後藤由樹
L級決勝は神奈川の谷みいなと埼玉の塙梨恵という関東勢同士の対戦に。谷はベスト4でプレ国体2勝の大看板を持つ熊本の岩下佐和子を抑えこみ、塙は劇的なラストになった福岡の後藤由樹とのヒルヒルを制して決勝へ。
L級準優勝・塙梨恵
塙は3月の女流球聖挑戦者関東代表決定戦以来の決戦に挑んだが、国内外をプロ以上に転戦してスケールアップした谷の勢いに呑まれてしまう。全日本ジュニア、アジアジュニア選手権と続けて準優勝と悔しい思いをしてきた谷が、粘る塙を振り切ってあとちょっと届かずにいた優勝を遂に手にしてみせた。
「一試合一試合楽しめたと思います。今まで、多くの方にアドバイスを貰ったりサポートして頂いた結果だと思います。ありがとうございました!」とコメントをくれた谷。これからまだどれだけの伸びしろがあるのか、未来が本当に楽しみだ。
B級決勝に進んだのは新潟の上野正治と埼玉の高橋虎之介。年齢差がほぼ倍という昭和生まれと平成生まれの対決は年長者が試合を優位に進め、初の大舞台での緊張と戦いながらしっかりゲームボールを叩き込んでみせた。
B級3位タイ・松村慎也(大阪)
B級3位タイ・藤井勇太(福岡)
上野、新潟県勢としてビリヤード界では史上初となる全国大会制覇だ。余談ではあるが筆者は新潟出身&在住でこの仕事をしていて、地元の応援という意味では都道府県対抗などで毎回忸怩たる思いがあっただけに、今回の優勝の場に立ち会えたことは感無量だ。上野は試合中、大会前日に訪れた太宰府天満宮のお守りを手にして戦い続けたそうだ。あちらは学問の神様では・・・・と言うなかれ。道真公、信じる者のことはしっかりと見守って下さるのだ。
B級準優勝・高橋虎之介
A級決勝に進んだのは福岡の重田寛之と神奈川の林武志。重田はベスト4で青森の奥崎誠を圧倒。林は愛知の田尻大悟とのヒルヒル死闘を制しての勝ち上がりだ。
A級3位タイ・奥崎誠
A級3位タイ・田尻大悟
林が前日の初戦、この決勝テーブルで撞いて敗者側に回ったのに対して、準地元の重田にとっては撞き慣れたテーブル。だが、エンジンのかかった林にそんな外野の憶測はいとも簡単に吹き飛ばされてしまう。林はほとんど重田を座らせたままのワンサイド勝ちで、見事に初全国タイトル獲得に成功だ。
A級準優勝・重田寛之
「ずっと応援して頂いた方々に、全国大会優勝のご報告が出来ることが何よりも嬉しいです。本当に有難うございます。ここから更に飛躍していけるよう、日々精進していきます!」というコメントをくれた林は、12月にプロテストを受験する。新たなるステージでの活躍に期待したい。
キャロムは予選4組の各上位2名が決勝シングルに進出。前回優勝者の三戸雅之が今回も決勝へ駒を進めたが、待っていたのは前々回優勝者で会場の「淡路」をホームとする田中亮一。20点先取の決勝は田中が13キューで上がり、三戸の連覇の夢を絶って二大会ぶり二度目の優勝を果たした。
キャロム優勝・田中亮一(福岡)
キャロム準優勝・三戸雅之(神奈川)
キャロム3位タイ・亀井日出夫(大阪)
キャロム3位タイ・本松良(千葉)
最後に残念なお知らせ。再来年は滋賀で国スポが開催されるのだが、NBA理事の話によると、諸事情により2024年に国スポ記念大会は開催されないそうだ。次回は二年後、2025年の青森ということになる。この三日間で「もうここには一生来れないかもしれない」という言葉を何度も耳にした。九州以外から参加した選手達にとっては佐賀に来たのは初めてという人も沢山いたと思う。この一期一会こそが国スポ記念大会の一番の醍醐味なのだ。全国のビリヤード愛好者のために、NBAには是非大会継続に向けての尽力を続けて欲しいと願うばかりだ。
On the hill!
キャロムの部写真提供/NBA