金澤蒼生が初優勝!
第23回全日本ジュニアナインボール選手権大会@ビリヤード・ロサ(東京・池袋)
ハイレベルな戦いを制した金澤蒼生
4月30日(日)、東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』を会場に、『公益社団法人日本ビリヤード協会』(NBA)主催の『JOCジュニアオリンピックカップ 第23回全日本ジュニアナインボール選手権大会』が開催された。この大会には、東北、関東、中部、関西、沖縄の各地区からの9名に前回大会優勝シードの織田賢人を加えた10選手が出場し、ジュニア日本一の座を争った。
今大会には国内各地から10名が出場
会場となった『ビリヤード・ロサ』
大会はまず10名を5名ずつ2組に分け、総当りで行われた予選リーグからスタート。5ラック先取、交互ブレイクのフォーマットでの戦いの結果、1組からは4戦全勝の織田と3勝1敗の谷みいな(関東代表)が昨年に続いて準決勝に進出。同組で戦った前回大会準優勝の新免和真(関西代表)は、リーグ最終戦の織田に勝てば2位の位置につけていたが、昨年大会決勝のリベンジはならず、今年は惜しくも敗退となった。
一方の2組は、関東代表の宮本琉成が4戦全勝でこちらも昨年に続いて準決勝へ。そして2位には、宮本には敗れたが、残り3戦に勝った金澤蒼生が、昨年大会の得失点差での予選落ちの悔しさを見事に晴らし、2位で準決勝に駒を進めた。
4位・宮本琉成
3位・織田賢人
この予選リーグでは、すでに国内や世界で活躍するトップジュニア達がハイレベルな戦いを見せてくれたが、そんな中で注目を集めたのが、安部ひなた(東北代表)、三浦蒼流(中部代表)の2名の小学生プレイヤー。残念ながら共にリーグ戦を全敗で終えたが、時折見せる鋭いショットと、溌溂としたプレーぶりには、会場全体から大きな声援が送られていた。
安部ひなた
三浦蒼流
6ラック先取となる準決勝の組み合わせは宮本vs谷、金澤vs織田。この2戦はどちらも、現在の日本を代表するジュニア達による白熱したヒルヒルの戦いとなったが、谷が宮本を、金澤が織田を下し、決勝戦はどちらが勝っても大会初優勝の2人によって争われることとなった。
準優勝・谷みいな
宮本vs織田による3位決定戦(結果は5-3で織田の勝利)と並行して行われた決勝戦。お互いに高いショット力を武器に思い切りの良いプレーを見せたが、2-0と先行した谷に対して、金澤は第3ラックの谷のスクラッチミスから追い付くとそのまま4ラックを連取。さらに4-2とした第7ラックのマスワリでリーチ。最終となった第8ラックも②―③コンビから取り切っていった金澤がゲームボールを沈め、嬉しい大会初優勝を決めた。
金澤は、プロを含めたトッププレイヤーが多数出場した今年2月の『京都オープン』でも準優勝するなど着実に力を付けている
なお、NBAによれば、今年10月にオーストリアで開催される予定の『ジュニアナインボール世界選手権大会』の日本代表選考については確定していない状況とのことだ。これは今年『ジュニアナインボールアジア選手権』が再開されるかどうか、再開された場合に世界選手権よりも以前に行われるかなど不確定な要素が残っているため。現段階では、「2023年の最初の国際大会として、世界選手権の日本代表NF枠(※)が与えられた場合は、本大会着順に従って男女1名ずつの派遣を実施する」としている。
※NF(National Federations)は国内競技連盟の略称で、各スポーツにおける国内の統括組織を指す。日本のビリヤードにおけるNFはNBA。