持永隼史が挑戦権獲得
第31期球聖戦 挑戦者決定戦@千葉・Anything
フルセットの激戦を制して挑戦権を獲得した持永隼史
4月22日(土)、現球聖位、小宮鐘之介のホーム、千葉県松戸市の『Anything』で第31期球聖戦の挑戦者決定戦がおこなわれた。今期は東西ともアマタイトルホルダーが名乗りをあげ、どちらが勝っても小宮には強いプレッシャーがかかることは間違いない情勢だ。
会場となっている『Anything』
西の挑戦者は国体記念大会A級3連覇(14年和歌山、15年岩手、16年愛媛)の記録を持つ、愛知ARCの島田隆嗣。島田は昨年の西日本A級決勝で敗れており、今期は見事にリベンジを果たして東上してきた。ちなみに島田は2013年長崎国体記念大会A級でも準優勝しているが、その時の優勝者が東の挑戦者である東京の持永隼史だ。
昨年のリベンジを果たして西日本代表となった島田隆嗣
持永は第47~50期(2007~10年)名人位。球聖戦では2013年に挑戦者となるも喜島安広球聖に逆転負け。2016年には東日本A級の決勝まで進むも、現プロの江藤大昇にヒルヒル負けを喫して挑戦者決定戦に進めなかったから、持永がJAPAタイトル戦の舞台に臨むのは10年ぶりということになる。フォーマットはナインボール3セット先取、1セットは7ラック先取だ。頂点を極めた者同士の戦いは期待に違わぬ好ゲームとなった。
久々のタイトル戦登場となった持永隼史
第1セットは持永のマスワリでスタートするも、この日最初のミスが③スキッドで、島田が5-1リードから7-3で島田が先取。第2セットは持永が5-0と走り、島田も6-4まで追いあげたが7-3で1-1のタイに。どちらが取ってもリーチがかかる第3セットは両者に2発ずつマスワリが出るも細かい応酬を制した島田が7-5で挑戦権にリーチをかける。続く第4セットは持永が6-0まで突っ走って7-2。死闘の決着はフルセットに持ち込まれた。
2人の戦いはフルセットの激闘に
運命の第5セット、持永が連マスで4-1とリードするも、島田もマスワリを絡めて4-3と追い上げる。続く第8ラックは島田のブレイクだったが⑤でミスが出て5-3。持永マスワリでリーチ。第10ラック、取り出しの①が隠れる。島田はジャンプではなく、遠くに離すプッシュアウトを選択したが、持永これをイン。取り切って10年ぶりに球聖位挑戦権獲得だ。
大挙駆けつけた持永応援団
愛知から駆けつけた島田応援団
惜しくも敗れた島田だが、第4セット第1ラックで球触りファウルを自己申告するシーンがあった。④をカットに行ってクッションから返って来た手球にキュー先が触れてしまったというもので、ビデオを見返してみたが正直なところ触れてるとはわからなかった。島田は「キュー先に明らかな感覚がありました。一瞬迷いましたが、誰かに指摘されるかもしれなかったし、ファウルはファウルですから」と話してくれた。トップアマの潔さには好感しかない。この2期でA級決勝、挑戦者決定戦と一段ずつ登ってきた島田。来期は更なる高みへ挑戦だ。
東西代表の応援旗
「最初のミスがスキッドだったので、色々考え過ぎてプレーを苦しくしてしまいました。むしろ第1セット落としたことで落ち着いたかなと思います」と、持永。小宮との対戦は先日の9ボールクラシック決勝くらいしか記憶にないという。結果は5-1で持永が優勝だ。
難敵を倒して勢いに乗る持永が初の球聖位を獲得するか、熱いホームの応援をバックに小宮が連続防衛を果たすか。5セット先取の長丁場となる球聖位決定戦は、4月23日(日)、同会場にて10時にスタートしている。