平口結貴が年間MVP初獲得!
2022年JPBA女子プレーバック
久保田知子
『日本プロポケットビリヤード連盟』(JPBA)が主催として開催された女子プロビリヤードの公式戦。今年行われた公式戦を一挙振り返る。
女子プロの開幕戦は、4月23日〜24日(土・日)に行われた『第30回関東レディースオープン』。1月に開催予定だった『関西レディースオープン』が中止になったことで、4月まで開幕がずれ込んだ。公式戦で言えば、2020年の『第28回関東レディースオープン』以来の再開となった。久々の公式戦で優勝を飾ったのは久保田知子。決勝で平口結貴を相手に7−1の完勝で、2016年『大阪クイーンズオープン』以来プロ公式戦2勝目を挙げて開幕スタートを飾った。
平口結貴
5月28日〜29日(土・日)は『大阪クィーンズオープン』。平口結貴が公式戦2戦連続の決勝進出。反対の山では浜西由紀子が初決勝を目指した佐藤麻子を抑えこんでファイナルへ。平口が0−2から5連取で鮮やかに逆転すると、そのリードを保って7−3で勝利。大会初優勝を飾った。
丸岡文子
7月23日〜24日(土・日)、京都の『プールブロウ』で『2022全日本女子プロツアー第1戦』が開催。女子プロ公式戦では初のテンボールフォーマットの試合だった。丸岡文子がベスト8から平口結貴、梶谷景美との連続ヒルヒルを制して決勝へ。そこで対戦したのはランキング1位の河原千尋。試合は意外にも一方的な展開で丸岡が5−0のリーチ。2点返されるも残り1点を落ち着いて取り、プロ転向後初優勝を飾った。
青木知枝
9月17日〜18日(土・日)、『第22回東海レディースグランプリ』が3年ぶり開催。決勝は青木知枝 vs 元廣麗子のプロ入り同期対決。接戦が続いた中、青木4-3から元廣が3連取してリーチ。そこから青木が2連取でヒルヒルに。最後は③の攻防を制した青木が取りきって17年『北陸オープン』以来の優勝を飾った。
佐藤麻子
10月23日(日)、3年ぶりに復活となった『第35回ジャパンオープン』。女子プロ公式戦は今季最終戦にして大一番の大会、有終の美を飾ったのは、プロ公式戦初優勝の佐藤麻子だった。佐藤は前日の予選で栗林美幸に1敗を喫したものの、敗者側から海外勢を下して決勝日の『ニューピアホール』行きを獲得。準決勝では河原千尋に7−4で勝利。決勝の平口結貴との対戦では、5−5に並ばれたところから残りの2点を取りきって勝利。公式戦初優勝がジャパンオープンのビッグタイトルだ。
女子プロ公式戦は完全とは言えないものの、シーズンを完走。年間5試合が行われた。終わってみれば、複数勝利を挙げた選手はなく、3度のファイナル進出、うち1勝を遂げた平口が年間MVPを獲得した。これまで女子プロのトップを走っていた河原や栗林が未勝に終わり(河原はJPBA主催の非公式プロアマ男女混合ハンデ戦『第47回日本縦断オープン関西』で優勝している)、プロ初優勝を遂げた選手が2名現れたことも今年の特徴と言えるだろう。来シーズンは現トップ勢に佐藤や丸岡といった選手を加え、さらに混戦となりそうだ。
写真/On the hill!