群雄割拠のアマ戦線
2022年JAPAプレーバック
梶原愛
『公益社団法人日本ビリヤード協会』(NBA)並びに『日本アマチュアポケットビリヤード連盟』(JAPA)が主催として開催されたアマチュアポケットビリヤードの公式戦。今年行われたアマ公式戦を一挙振り返る。
アマ公式戦の全国タイトルは、『女流球聖戦』でスタート。昨年は未開催で、4月9日~10日(土・日)に2年ぶり開催となった本大会は、7ラック・4セット先取のフォーマット。2度のヒルヒル、計63ラックに及ぶ長丁場戦をセットカウント4−2で梶原愛が南部めぐみを下して初防衛を達成した。
小宮鐘之介
GW終了後の5月の週末、『女流球聖戦』に続いて『第30期球聖位決定戦』が開催された。挑戦者の権利を獲得したのは高上真一。55歳でのJAPAタイトル戦への登場はこれが初めてだった。対する球聖位は、初の防衛戦に臨む小宮鐘之介。7ラック・5セット先取の長丁場だが、球聖位・小宮の5セット連取という圧巻のパフォーマンスで初防衛を達成した。
埼玉Aチーム
6月4日〜5日(土・日)、全国アマ連員にとっての1年の総決算、『第56回全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権』が和歌山市の「ビッグホエール」で開催。都道府県別のチーム戦で争われる本大会、埼玉A vs 静岡Aの決勝は、埼玉の5番手・喜島安広、1番手の奈良崇、4番手の建川雄司も勝って、埼玉Aが3勝2敗で5年ぶりの優勝をもぎ取った。
左から、A級・織田賢人、女子級・増田真紀子、B級・幸本拓巳
NBA主催の『全日本アマチュアナインボール選手権大会』は、6月26日(日)開催。女子級、B級、A級の3部門で行われた本大会は、女子級・増田真紀子、B級・幸本拓巳、A級・織田賢人がそれぞれ優勝を果たした。A級大会決勝では、今年プロ入りを果たした川連一斗をジュニア選手の織田が破るという大きなトピックでもあった。
田尻大悟
9月11日(日)、テンボールのアマ全国タイトル『第23回マスターズ』が開催。本大会は喜島安広が4連覇中という圧倒的な成績を収めていたが、その喜島はベスト8で静岡の秋本真吾に逆転を許し、大会連勝記録を止めることに。その秋本は準決勝で敗れ、決勝戦は愛知県の田尻大悟と宮城の富樫翼。これを制した田尻がアマタイトルを初獲得となった。
左から、喜島安広、林秀忠
9月25日(日)、埼玉の『セスパ東大宮』で『第61期名人戦』が開催。名人戦はローテーション300点の5セット先取。初タイトルを目指す挑戦者の林秀忠と、3期連続名人位を獲得している喜島安広との対戦は、わずか5時間、一度も第5ラックに進むことなく、5-0のストレートで喜島が防衛成功。これで喜島は4期連続、通算5期目の名人位に就いた。
左から、A級・渡邉覚、女子級・坂田夕紀、B級・以後鎮
アマチュア全国タイトルの年間最終戦は、11月に開催された『第69回全日本アマチュアポケットビリヤード選手権大会』、通称アマローテ。この大会はローテーションを種目に女子級、B級、A級の3部門、女子級・坂田夕紀、B級・以後鎮、A級・渡邉覚が優勝を果たした。
昨年のアマ戦線は、喜島安広が全国タイトル3冠を達成し、「喜島一強」の様相だったが、今年は喜島の名人戦防衛、都道府県対抗で2冠に絡んだが、その他の大会では初タイトルを獲得する選手が目立ったのも事実。ジュニア選手のアマタイトル獲得もあり、今年活躍した選手の来年以降の活躍にも期待できそうだ。
写真/On the hill!