サムライが尾張で一刀両断!
JPBA GRAND-PRIX WEST 第4戦@名古屋・MERCY
最終戦を制した竹中寛
10月2日の日曜日。秋晴れの名古屋で『西日本グランプリ第4戦』が開催された。舞台は『MARCY』(予選は『春岡クラブ2』、『名城』を併用)。これで今大会がシーズンの最終戦となる西GPは、開催場所が第1戦から順に愛知・佐賀・佐賀・愛知となった。
決勝会場となった『MARCY』
佐賀開催時には九州勢の活躍が目立ったが、今回も地元・東海勢が気を吐いた。決勝ベスト16に所勘治、原口俊行、そして注目のアマチュア神箸渓心の3人が姿を現すと揃ってベスト8入りを果たす。ここで原口は浜田翔介に、神箸は田中雅明に敗れて5位タイフィニッシュに。しかし現JPBA東海支部長のベテラン所は、杉原匡を倒して準決勝に進んで表彰台を確定。近年、試合出場が限定的であった所の表彰台は実に12年ぶりのこと。
3位タイ・田中雅明
この時点で表彰台を確定させたのは、枠順に浜田、田中、竹中寛、所の4名。全員が西GPの優勝経験を持ち、田中の13回を筆頭に4人合わせて計24度の西GPタイトルを獲得している。(所は西日本プロツアー時代を含む)今回はナインボールということで勝敗を予想しにくい部分もあったが、プロの公式戦で表彰台に到達することの難しさをあらためて感じる機会となった。ちなみに前戦(西GP3戦)から連続で表彰台に立ったのは浜田ただ1人だ。こうして頂点を目指す戦いはまだ外が明るい夕方にスタートした。
3位タイ・所勘治
準決勝は両カードともヒルヒルの激闘となった。浜田は先行しつつも、健在ぶりをアピールする田中が執拗に追いかける。3-3、4-4、6-6と三度追いつかれながらも、最後は田中のブレイク後の取り出しの②が隠れプッシュアウト後のセーフティ戦を制した浜田が取り切り、ベスト8の原口戦に続いてフルゲームを制した。もうひとつのテーブルでは竹中が先行するも、こちらも健在ぶりを存分に見せる所が中盤の5連取で6-4とリーチをかける。しかし土壇場で勝負強さを見せた竹中が踏ん張り3連取で逆転フィニッシュを決めた。
準優勝・浜田翔介
浜田と竹中は初のファイナルカード。接戦続くトーナメントは決勝戦でも見ごたえ十分な好ゲームを愛知のファンに披露。両者揃ってブレイク後の配置に恵まれないだけでなく、見た目以上に渋いポケットも手伝って緊迫感も漂う。そんな中でもリズムを崩さない浜田と竹中の姿に、場内は両者を応援する空気に。先にリーチをかけた浜田に対して、竹中も渾身のランナウトでヒルヒルに追いつく。最後のブレイク番を持つ浜田だったが、こちらも取り出しが見えず、その後にセーフティ戦を制した竹中が、仲間の「頑張れ」の声に「頑張ってるわ(笑)」と返しつつ取り切って、今シーズン初優勝を飾った。
竹中はこの優勝で『BILLIARD CUE’S CUP JAPAN POOL CHAMPIONSHIP 2023』出場が確定
(CUE’S11月号でも)「試合が好き」と大好きなビリヤードについて語ってもらった竹中。この試合後は「やっぱり優勝は嬉しいですね。(今夏に)調子が悪かったお陰で練習もして、一試合一試合に勝つことが出来て、途中で腰は痛くなってましたけど(笑)、それでも最後まで勝てたということが良かったです」と、お馴染みのハスキーボイスで語ってくれた。
またこの優勝で出場が確定した『BILLIARD CUE’S CUP JAPAN POOL CHAMPIONSHIP 2023』についても「せっかく出られることになったので、やっぱり関西と関東の差っていうやら何ですけど、全国のファンの皆さんは関東が強いと思ってると思うので『西日本も強いんやぞ!』というところを見せられるように、また練習をして準備をしておきます」と意気込みを見せた。表彰台の平均年齢は47歳。若手が不甲斐ないのではなく、西のベテラン「健在」を示す尾張の陣となった。
※編集部注:BILLIARD CUE’S CUP JAPAN POOL CHAMPIONSHIP 2023の西日本出場者については、現在最終集計中です。結果が確定次第改めてお伝えいたします。