喜島安広が防衛成功! 通算5期目の名人位!
第61期名人戦@セスパ東大宮
9月25日(日)、ヤクルトスワローズがセリーグで2連覇を決めた同じ日に、埼玉の『セスパ大宮』では喜島安広が名人位の防衛を決めた。喜島の名人位はこれで第58期から4期連続。通算では第54期を合わせて5期となり、獲得期数は藤間一男(8期)、中原正人(6期)に次ぐ単独第3位となった。今期の挑戦者、滋賀の林秀忠は8月のA級では勝者側から勝ち上がり、プレーオフで元名人の大坪和史を倒してこの場に立ったが初タイトル奪取ならず。
名人位決定戦はローテーション300点の5セット先取。300点ということは最短で3ラック、最高で5ラックだから、技術もさることながら、撞き続ける体力と精神力も要求されるマラソンマッチ。
林秀忠
だが、第1セットから名人位の喜島安広、挑戦者の林秀忠ともに淡々と撞いていき、なんとわずか5時間、一度も第5ラックに進むことなく、5-0のストレートで決着がついてしまった。
喜島安広
ちなみに喜島が5-2で防衛に成功した第60期は8時間50分かかっているから、如何に今回の進行が速かったかがわかる。二週間前のマスターズベスト8で逆転負けを喫して連覇が途絶えた喜島だけに、序盤の2セットで林がスタートダッシュに成功して喜島の焦りを誘えばわからなくなるというのが筆者の戦前の予想だったが、あまりにもあっさりと喜島が2セット先取して試合の主導権を握ってしまった。
5セット中、100点以上のランを4回出した喜島に対して、林は99点が最高。残念ながら、これでは百戦錬磨の名人にプレッシャーがかかるわけもない。
川端聡プロ(JPBA)が林に声をかける
第4セット開始前、大阪から応援に来た川端聡プロが林に声をかけるシーンがあった。筆者はこれで林が生き返ったら貴重な一枚になるとばかりにツーショットを写真に収めたが、残念ながらそんなドラマのような展開は現れなかった。
試合後に「完敗です」と答えてくれた林。むしろ、林にとっての名人戦はここから始まるものと信じたい。名人戦の挑戦者は運やまぐれでなれるものではなく、それ相応の実力があったからこそ、名人位決定戦の舞台に立てたのだ。
現時点での喜島名人との実力はあまりにもはっきり出てしまったが、タイトル戦の大舞台に立った経験は必ずこれからのレベルアップの大きな糧となるだろう。まだ35歳の林にはまだまだ伸びしろがあるはずだし、関西から訪れた沢山の応援団もそれを信じている。いつになるかはわからないが、再び林が大舞台に立つ日を楽しみに待ちたい。
次のJAPAタイトル戦は、11月後半に開催される全日本アマローテだ。
(注) 今大会は両選手の合意の上で「マスクの着用は選手本人の判断に任せる」ということでおこなわれました。会場内の関係者とギャラリーはマスク着用でした。