愛知の田尻大悟が初の全国タイトル獲得
第23回マスターズ@大阪・マグスミノエ
優勝・田尻大悟
9月11日(日)、大阪のマグスミノエで開催中の第23回マスターズ決勝日は敗者最終8試合からのスタート。ここからは一つ負ければ終わりのシングルイリミネーションだ。
会場となった『マグスミノエ』
5連覇を目指す喜島安広は初戦で岡山の三宅達也を完封と好スタートを切り、ベスト16でも京都の今村哲也を2点に抑えてベスト8に進出。そこで喜島を待っていたのは、群馬の藤川潤に7-2で勝った静岡の秋本真吾。喜島と秋本は共にアマローテA級優勝経験者。ローテーション巧者同士によるテンボールの一戦では喜島が6-3と先にリーチをかけ、「今年もやはり喜島か……」という空気が会場に流れたが、秋本は諦めていなかった。1点ずつ取り返してヒルヒルに持ち込み、見事に捲り切ってみせた。敗れた喜島は、「年齢的なものなのか、疲れて集中しきれませんでした。また頑張ります」とのコメントを残して会場を後にした。2週間後には名人戦防衛戦が待っている。こちらも長丁場だけに気持ちの切り替えて決戦に挑んで欲しい。さあ、これで誰が勝っても初優勝だ。
3位タイ・秋本真吾
ベスト4は青森の奥崎誠 vs 愛知の田尻大悟、静岡の秋本 vs 宮城の富樫翼という新鮮な顔ぶれに。奥崎と秋本は勝者側から無敗での勝ち上がりだ。夏の甲子園では仙台育英が東北勢として初の優勝を飾って話題になったが、マスターズでの東北勢の活躍も久々なこと。優勝となると、2007年の第8回、福島の芳賀広訓まで遡らなければならない。
3位タイ・奥崎誠
四人の中で唯一の50代である奥崎はベスト8で準優勝経験者の建川雄司を0点に抑えるなど絶好調。2015年岩手国体記念大会以来の全国大会ベスト4だったが、ここまで来てさすがに息切れしてしまったか、4-3に追い上げる⑩をとばすなどしてリズムに乗れず、田尻が7-3で決勝進出。もう一つのベスト4は秋本がリードして試合が進むも、先週仙台で行われた花谷杯に勝ったばかりの富樫が粘ってヒルヒル。最終ラックは富樫のファウルから秋本がフリーボールを手にするも、これがまさかの入れスクラッチ。富樫が2週連続の決勝進出だ。
準優勝・富樫翼
富樫42歳、田尻36歳。ちなみに予選で富樫は広島の高上真一に、田尻は福岡の重田寛之に敗れてからの勝ち上がりだ。共に全国大会初ファイナルとなった一戦は田尻が2-0と先行。3-0とする⑩を田尻がミスして富樫が2-2と追い付いたが、ここからは田尻の独壇場。富樫のファウルから6-2リーチをかけ、最後はマスワリで初全国タイトルを手中に収めてみせた。
決勝戦の模様
試合後の田尻は「まさか優勝できるとは思っていなかったので……。まだ、全然実感がわきません」とコメントしてくれた。マスターズでは愛知県勢として初優勝。マスターズの新チャンピオンとしては2017年の竹内承勲以来で、ちなみにこの時の準優勝が愛知の妹尾健司だった。JAPA全国タイトルでは2016年の全日本アマローテA級に勝った島田隆嗣以来となる愛知県勢の優勝だった。新チャンピオン、田尻大悟のこれからの活躍に期待したい。
※決勝戦のみ、両対戦者及び会場内関係者の了解を得た上で、ノーマスクで対戦を行いました。