丸岡文子がプロ初優勝!
2022全日本女子プロツアー第1戦@プールブロウ
『2022全日本女子プロツアー第1戦』決勝日が7月24日(日)、京都の『プールブロウ』で開催された。この日は実に5回もヒルヒルに突入する大熱戦となった。
3位タイ:梶谷景美
アマチュアで唯一決勝日に残った河地恵理は青木知枝と対戦してヒルヒルに追い付くも、最後はセーフティが甘く残って惜敗。前回ここプールブロウでプロ入り初優勝を飾った小西さみあはベスト16で久保田知子と対戦。ヒルヒルで勝者最終のリベンジに成功するも、続くベスト8では梶谷景美に追い付いてヒルヒル。しかしあと一歩及ばずで同会場連覇はならず。
曽根恭子
共にベスト16に勝ち、勝者最終と同カードになったのが平口結貴 vs 丸岡文子。勝者最終はヒルヒルで平口が勝ち、この試合もヒルヒルに縺れ込んだものの、最後は平口が取り切り態勢。しかしここからまだドラマが。配置的には問題なかった⑨で、平口はエクステンションを装着して身体を伸ばして撞いたがまさかのミス。残り球が渋くなって縺れたが最後は丸岡が決めてベスト4進出。平口には悔やみ切れない1球となってしまった。丸岡は続く準決勝で梶谷景美ともヒルヒルになるが凌いでプロ入り後初の決勝進出。
準優勝:河原千尋
反対側の山からはランキング1位の河原千尋が上がって来た。ベスト8で青木知枝を零封するなど、調子は良さそう。丸岡の初優勝か、河原のコロナ禍明け初勝利か。しかし試合は意外なほど一方的な展開となり、丸岡が3-0リードから1点返されたものの、2連取でリーチをかける。丸岡、最初のゲームボールになったロングを飛ばして5-2となるも、次のチャンスを逃さずにあっさりとプロ入り初優勝を決めてしまった。元女流球聖位としては久保田知子、平口結貴に続く3人目のプロ公式戦優勝者の誕生だ。
決勝戦:丸岡vs河原
それにしてもプールブロウは初優勝が頻出する会場だ。2015年には青木絵美、2019年には小西さみあ、そして今回と3人もの女子プロの忘れられない会場となっている。試合後の丸岡のコメントは以下の通り。
「今日は大先輩達に見守られて撞くことができて本当に楽しかったです。ヒルヒルの試合が沢山ありましたが、こういう場面を乗り切らないと勝ち切れないので頑張りました。テンボールだったことが私には有利に働いたように思います。ナインボールはブレイクで配置ができてしまったら何もできないけど、テンボールは数が多い分チャンスが回って来ますから。明後日からの宮古島旅行、楽しんで来ます!」
優勝:丸岡文子
このコメントの興味深いところは、『テンボールは数が多い分チャンスが回って来る』の部分。何故なら、ナインボールよりテンボールを多く採用している男子プロの試合ではこんな話は聞いたことがないからだ。それだけ男子のテンボールではブレイクが確立されているということだ。今後、国内女子の試合でテンボールがより採用されることになれば、ブレイクの優劣が勝敗を分けるようになるだろう。9月の女子テンボール世界選手権には日本から河原千尋と平口結貴の出場が決定している。果たして女子ツアーでテンボール開催が増えるのか。今後に注目したい。
JPBA女子ブロック長:光岡純子(中央)