A級・織田賢人、女子級・増田真紀子、B級・幸本拓巳が戴冠!
全日本アマチュアナインボール選手権大会@尼崎・アルカイックホール・オクト
各級優勝者。左から織田、増田、幸本
6月26日(日)、アマナイン決勝日は女子級の試合からスタートした。女子の優勝候補筆頭は4月に女流球聖位を防衛した梶原愛。その梶原にベスト8で挑んだのが、女流球聖位挑戦権をあと一歩で逃した京都の渡邉愛子。「幻の女流球聖位決定戦」とも言える一戦は渡邉が梶原を競り落として自身初のベスト4入りだ。
会場となった『アルカイックホール・オクト』
前回、女子級は上位を関東勢が独占して昨今の東高西低を反映する結果となっていたが、今年は地元勢が奮起してベスト4を関西勢が占める結果に。注目は女流球聖位西日本挑戦者対決となった渡邉 vs 増田真紀子。増田は前回、梶原に敗れて女流球聖位に挑戦出来なかったが、関西ではその実力への評価は高い。増田、渡邉を1点に抑えこんで決勝進出を決める。
反対の山を勝ち上がったのは、奈良の山田直美に競り勝った布川明子。布川は2012年のアマナインでも決勝に進んでいるが、富山の田中夕紀子の前に敗退。二度目のタイトルチャレンジだったが、決勝は増田がその実力を遺憾なく発揮して、6-0で初アマタイトルを獲得だ。
女子級入賞者。上から3位タイ・渡邉愛子、山田直美、準優勝・布川明子、優勝・増田真紀子
B級は例年なら質量共に地元関西勢が強い印象があるが、今年決勝の舞台に上がったのは沖縄の幸本拓巳と静岡の久保浩康の両名。久保の3連チャンから試合は始まるも、幸本が3つ取り返して試合は大接戦に。終盤、久保が6-5と先にリーチをかけたがヒルヒルとなり、幸本が逆転勝ちに成功だ。まだ26歳の幸本、層の厚い沖縄でも頑張ってA級代表を目指して欲しい。
B級入賞者。上から3位タイ・菅生雄二、森本正道、準優勝・久保浩康、優勝・幸本拓巳
大きめのポケットで特設の新羅紗。勝者ブレイクのナインボールでA級レベルが戦えば、回してしまえば何連チャンされるかわからない。そんな熾烈なサヴァイバル戦の中、中学3年生、三重の織田賢人が止まらない。ベスト16で今大会二勝目を目指す中野雅之を倒すと、ベスト8では醍醐雅人を相手に1-7からの大逆転勝ち。勢いのままに準決勝で滋賀の大橋正寛を倒して決勝に進む。
A級3位タイ。上から大橋正寛、大橋義治
反対側の山から勝ち上がって来たのは東京の川連一斗。2019年の鹿児島国体記念大会を制した川連は、この4月にも9ボールクラシックを制すなど好調をキープ。二つ目のアマタイトルにリーチをかけた。決勝は緊張感を孕んだ接戦になり、先に川連が5-7から3連取でリーチをかける。
A級準優勝・川連一斗
①セーフティ戦から川連が取り切りにかかるも、④が無念の穴前残り。織田、取り切り&マスワリで大会史上最年少でのA級優勝を成し遂げた。ちなみに、筆者が見ただけで織田はこれが今大会3度目のヒルヒルに追い付いてのマスワリ勝利。ビリヤード界に勝負度胸満点のニュースター誕生だ。
A級優勝・織田賢人
試合後、織田に次の目標を尋ねると「やっぱり大会連覇を目指してみたいです」と、明るい返事が返ってきた。追う立場から追われる立場となり、ライバル達の目も対応も厳しく変わってくるのは間違いないが、十代の成長力はそれらをも凌駕してしまうのか。来年を楽しみに待ちたい。