都道府県対抗戦開幕!
第56回全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権@和歌山・ビッグホエール特設会場
全国アマ連員にとっての一年の総決算、「第56回全日本都道府県対抗ポケットビリヤード選手権」(以下、都道府県)が6月4日(土)、和歌山市の「ビッグホエール」で開幕した。
コロナ禍により2020年、2021年と2年連続で中止を余儀なくされた本大会だが、今回も万全の状態での開催というわけにはいかなかった。チーム数こそ43チームと集まったが、その中には13の「Bチーム」が含まれる。つまり、47都道府県中、参加は30に留まったわけだ。代表5名を集めなければ出場出来ないという大会の性質上、メンバーが集まらずに出場を断念したチームも少なくなかった。
首都圏にいると既にコロナは過去のものになったという認識になってしまいがちだが、地方に行けばまだ感染者数が増加傾向にあるところもあり、「都会や人の多いところに行けば感染する」という単純な思い込みもいまだに根強い。今回も開催に当たって賛否両論があったが、「コロナに負けず可能な限り大会を継続する」のがJAPAの一貫したポリシー。3年ぶりとなる今年の開催が来年以降の未来に繋がればというのが、JAPAメンバーの総意なのだ。
大会は参加チームを4つのブロックに分け、ブロック内で総当たり戦をおこなって、ブロック1位を選出する。ブロック内に10チームあれば、各チームの1番手は9名の他チーム1番手と120点ゲームを戦うわけだ。
歓喜と落胆が入り交じる総当たり戦終了後の順位発表は都道府県の一つの山場であり、その後1位4チームが準決勝と決勝を戦い、その年のチャンピオンが決まる。初日は各ブロック6戦を消化した時点で終了となった。
2019年の覇者、奈良が入ったAブロックでは、24勝の沖縄と23勝の東京Aが一歩リード。奈良は5番手の吉向翔平が5勝1敗と奮闘。計19勝で決勝日の巻き返しを狙う。Bブロックは喜島安広現名人を擁する埼玉Aが29勝を挙げて独走態勢。各チームのエースが揃う5番手で戦った喜島は6勝1敗で初日を終えたが、その喜島に120-0で土を付けたのが東京Bの増渕享士だ。
奈良チームの吉向翔平
埼玉Aチーム喜島安広
アマチュアのトッププレイヤーとして知られた増渕がTPA(東京ポケットビリヤード連盟)に入ったのは2019年のこと。「都道府県に出てみたかったのも入会の一つの大きな理由」と話してくれた増渕。代表決定戦では結果を出せずにBチームに甘んじたものの、喜島戦では喜島の故意ファールから⑧、⑨で連続ジャンプを決めてシャットアウト勝ち。これが120点ゲームの怖さであり面白さ。「勝ってスカッとしました!」という増渕だが、初日の成績は3勝4敗。決勝日はまず勝ち越しが目標となる。Cブロックは、岡山A、滋賀A、愛媛Aの3チームが三つ巴、Dブロックは24勝の愛知Aが独走状態だ。6月5日(日)は大会決勝日。果たして、3年ぶりの頂点に立つのはどのチームなるのか注目だ。
増渕享士