梶原愛が南部めぐみを下して防衛!
第13期女流球聖戦 挑戦者決定戦&女流球聖位決定戦
初防衛を果たした梶原愛
日中の気温が20度を超えた大阪の街中では既に桜の盛りが過ぎようとしていた。球春到来。4月9日~10日(土・日)に行われたJAPA主催の『第13期 女流球聖位決定戦』。現女流球聖位は2020年秋に戴冠した梶原愛。今回、梶原への挑戦権を賭けて挑戦者決定戦に臨んだのは、埼玉の南部めぐみと京都の渡邊愛子の両名。どちらも挑戦者決定戦初進出となる。会場は第1期から今回まで継続して女流球聖戦を開催してきた、幾多の激闘を見守ってきた女子アマの聖地とも言える場所、『マグスミノエ』だ。
会場となった『マグスミノエ』
フォーマットはナインボール交互ブレイク。セットマッチ制で、7ラック先取で1セット。挑戦者決定戦は3セット、女流球聖位決定戦は4セット先取となる。9日(土)の正午に始まった挑戦者決定戦は最初の2セットがどちらもヒルヒルになる接戦でスタート。
東日本代表の南部めぐみ
続く第3セットは渡邊の3-0リードで始まり、第9ラックでは南部のノーインから渡邊が①―⑨コンビを決めて挑戦権にリーチをかける。2セット連取で渡邊が流れに乗ったかに思われたが、ここからようやく南部のエンジンが暖まったのか、第4セットを取り返してフルセット突入だ。運営担当者の話では、挑戦者決定戦でフルセットになったのは初めてではないかという。これはどちらかが2セット取った時点で、負けている方の心が折れてしまう場合が多いからだろう。
西日本代表の渡邊愛子
最終セット、南部は3-0リードからマスワリ2発で渡邊を突き放し、約9時間に及ぶ激闘を制して逆転で挑戦者に名乗りを挙げた。惜しくもあと一歩及ばずだった渡邊だが、まだ23歳という年齢を考えれば今後の伸びしろは無限大。来期以降、またこの舞台で戦える日はそう遠いことではなさそうだ。
梶原愛と南部めぐみ、この両者は昨年10月の『全関東ビリヤード選手権』でも対戦していて、結果は梶原の勝ち。東日本代表に決まった直後の南部は、「梶原さんにリベンジしに行きます」と言っていたから、それが実現したわけだ。ちなみに女流球聖戦では東高西低が続いていて、第10期に中村舞子が失冠して以降、これで3期連続して東東対決になる。
女流球聖決定戦は今年も東日本対決に
第1セット、4-0と好スタートを切ったかに見えたのはタイトルホルダーの梶原。しかし、南部がジリジリと追い上げてヒルヒルに追いつき、第1セットを奪取。それでも第2セットからは梶原がリズムを掴んで3セットを連取し、タイトル初防衛にリーチをかける。
挑戦者決定戦の最終セットでコンディションを掴んだように見えた南部だったが、前日強いプレッシャーがかかる中で計57ラック撞いた疲れが抜けていない様子。第5セット、梶原が6-4としてゲームボールを迎える。だがこの⑨がサイドに嫌われ、結局このセットはヒルヒルで南部が取り、セットカウントは梶原の3-2に。10時に始まったこの試合、第6セットのスタートは19時5分だった。途中、両者にイリーガルブレイクが続いたのは、明らかに疲労からブレイクに力を入れられなくなったからだ。
梶原愛がセットカウント4-2で勝利
梶原、3-2とした第6ラックでマスワリを出し、6-2でリーチ。第9ラック、徳俵で頑張りたかった南部だが⑧で入れラッチ。梶原愛、タイトル初防衛に成功だ。決定戦は計63ラック。頂点に立つには技術はもちろん体力も必須、と痛感させられた2日間だった。タイトルを守った梶原は4月23日~24日(土・日)の『関東レディースオープン』にエントリー済み。プロを相手にタイトルホルダーがどんな戦いぶりを見せるかに注目だ。
JAPAでは4月24日(日)に球聖西日本A級戦がおこなわれ、東西の挑戦者が決定する。球聖位決定戦は5月14~15日、現球聖位、小宮鐘之介のホーム「Anything」で開催だ。