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吉岡正登が故郷・京都で錦を飾る

2019.04.10
2019西日本グランプリ第2戦

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グランプリでの初タイトルを獲得した吉岡正登

4月7日(日)に京都市の『サンク』(予選は同市内『VAMP』『ピックアップ』併用)において、『西日本グランプリ(GPW)第2戦』が開催された。結論から先に入ると、京都出身の吉岡正登が『関西オープン』に続いて、早くも今シーズン2勝目を上げた。吉岡はプロ公式戦通算5勝目で、グランプリの優勝は初。(4度の準優勝あり)なお、今回からGPWでは新たな試みを行って試合の改善を目指して動いている。(後述)

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会場・『サンク』

グランプリキング・大井直幸が昨シーズンから東へ移籍。これに伴い混戦の様を呈する西日本だが、昨年は4戦が開催されて、竹中寛田中雅明が順に勝ち、川端聡の2連勝という、いずれも40代でベテランの域に入ったプロが優勝。今年は開幕戦で30歳の飯間智也が制して、新旧勢力のせめぎ合いが見どころに。そんな中で、今回は決勝トーナメント16枠に、西GP優勝者が7名と新チャンピオン誕生の気配を漂わせた。当日の様子を準決勝から振り返ってみたい。

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準優勝・福本宇太郎

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3位タイ・和田敏幸

準決勝に残ったのは、現在は京都に拠点を置いて活動中のマルチスペシャリスト・福本宇太郎、対するは3年ぶり西GP優勝を狙う愛知の和田敏幸

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3位タイ・浅野正人

そして今年の『関西オープン』で優勝して上昇気配の吉岡と、相手は一昨年の『全日本選手権』で日本人最高位の戦績をマークして注目を集めた大阪の浅野正人の4名。吉岡と浅野は西GP初優勝を狙う。ここは福本が零封で和田を仕留め、吉岡は4-0のスタートダッシュを決めて、そのアドバンテージを守り切る形で7-3として、それぞれ決勝戦へと駒を進めた。親交の深い福本と吉岡だが、2人のファイナルカードは初。

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女子のミニトーナメントで会場は和やかに。

そして今回、新たな試みとして開催されたアマチュア女子のミニトーナメントも併行開催。こちらは先に決勝カードが決まり、GPWと同時に行われる決勝戦を待つ間、ペアマッチやプチチャレンジマッチ等が行われて、試合もイベントも和やかなムードで展開されていた。なお、8名が出場したトーナメントは、大阪の田岡奈々枝選手が決勝戦で兵庫の河内恵理選手を破って、記念すべき第1回大会優勝の座に就いた。

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優勝・吉岡正登

本戦のファイナルは1-1のスタートから吉岡が6連取でゲームを早々に決めた。「やっとGPで勝てました。田中さん(雅明プロ)との試合(ベスト8)で追い上げられる展開になりましたが、そこで踏ん張ることが出来た点は自分の成長を感じられました。これでUSオープン(4月にアメリカで開催)に良い弾みをつけることができました」と笑顔で語った吉岡。昨年の不調を乗り越え、プロ10年目に期待が寄せられる状態だ。一方、惜しくも準優勝に終わった福本も随所に上手さが光る鮮やかなプレーを披露して、こちらも復権に向かう気配を感じさせていた。

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優勝・吉岡正登(右)、アマチュア女子のミニトーナメント優勝・田岡奈々枝選手(左)

新たな試みを実施した背景には、GPWが集客力や発信力で東日本グランプリ(GPE)と格差が出てきたことも一因にある。これについて斎藤健悟西日本ブロック長は「今回の試みの結果を踏まえて、明後日に開かれる理事会であらためてイベント等について練り直して、決勝戦に大勢の人が残って盛り上がる大会へと進化させていく構えです。今日は手探りの状況でしたが、プロ選手が自発的に動いてくれて、一定の成果を上げることができました」とコメント。実際、女性プレイヤーが決勝戦をはじめ熱心に観戦して、会場はこれまでにない華やかな空気に包まれていた。また東日本勢が日本ランキング上位を独占した昨シーズンの結果を踏まえて、西日本男子の中で巻き返しに向けて発奮ムードも出てきている。色々な角度から、次戦以降の展開に期待が寄せられる。

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左から、3位タイ・和田敏幸、優勝・吉岡正登、準優勝・福本宇太郎、3位タイ・浅野正人

なお決勝戦の映像は後日CBNTで公開予定です。どうぞお楽しみに!

写真・文:Akira TAKATA

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