2019西日本グランプリ第1戦
会場となった『R.T.B』
3月10日の日曜日。愛知県犬山市の『R.T.B』(予選は近隣複数店舗併用)において、『西日本グランプリ第1戦』が開催された。先ず結果をお伝えすると、先月開かれた『京都オープン』で優勝を飾った(既報)
飯間智也
が、16カ月ぶり3度目となるグランプリ制覇を果たした。準優勝は大阪の強豪アマチュアである竹村幸祐で、グランプリとアマチュアの戦績ついては後述する。
優勝・飯間智也
この日は午後から雨が降り、場内にギャラリーが多数入ったことも手伝って、テーブルコンディションに変化が見られた。その対応に苦しむ中、飯間はベスト16から
杉原匡、
稲川雄一、そして
吉岡正登
という面々を倒して決勝戦進出を決めた。2017年にプロ復帰をするや否や、シーズン3勝を上げた飯間だが、昨年は2度の準優勝はあったものの公式戦未勝利に終わっているだけに、今回のタイトル奪取への意気込みはさぞ強かったものと窺えた。
3位タイ・吉岡正登
一方の山からは、前出の竹村が気を吐いた。予選でも
高木悠次
、
黒田祐介
という難敵プロを連破した竹村は、決勝会場に移動したベスト16でも九州の注目株である
能勢勇作をも撃破。さらに
福本宇太郎とのベスト8戦では、ヒルヒルに追いついたラストラックで、
取り切り態勢に入った福本にスキッドによる不運なポジションエラーが出て、フリーボールから残り6球をガッツで取り切って準決勝へ。その準決勝では
田中雅明を相手に先行逃げ切りを決めた。以前から強豪選手として知られる竹村だが、GPでのファイナル進出はお見事。
大健闘を見せた竹村幸祐
ここで西日本グランプリ(西GP)におけるアマチュアの戦績について紹介しておこう。2004年に始まった西GPは今回で82戦目。過去にアマチュアの優勝者は出ておらず(前身の西日本プロツアー時代には2001年に大坪和史アマが優勝)、3年前の第1戦で
大阪の鏡園勝アマが収めた準優勝の戦績が最高成績で、唯一のアマチュア決勝進出の記録だ。竹村がGPの歴史を塗り変えるのか?プロにしてみれば絶対に譲れない聖域で、飯間にとっては大きな重圧となったに違いない。
3位タイ・田中雅明
なお西GP過去81戦で優勝経験者は20名。その中で最多勝である
大井直幸(16勝)をはじめ
赤狩山幸男
(7勝)、
栗林達(4勝)という3名の猛者が東日本へ移籍した現在、田中雅明(13勝)と
川端聡(12勝)が西GPのトーナメントリーダー的存在。続いて
竹中寛
と
北谷好宏
が揃って5勝。今シーズンのスタート時点としては、この4人を『西GP四天王』
と表現して差し支えないだろう。
そして決勝戦は、飯間が先行して竹村が追う展開となり、4-4まで互角のまま終盤に突入。ここから飯間が2連取を決めて王手をかけるも、竹村が土俵際で粘って1点を返す。だが、次の第12ラックのブレイクがノーインに終わると、飯間が丁寧に10球を沈めて自らの手で優勝を手中に収めた。「とにかく勝ててよかったです」。追い風のゲームも逆風の展開も、慎重に一球一球を慎重にこなした飯間は、長い一日の疲れも吹き飛ばした様子で爽やかにコメントを残して会場を後にした。
写真左から3位タイ・田中雅明,優勝・飯間智也、準優勝・竹村幸祐、3位タイ・吉岡正登
また準優勝という素晴らしい戦績を収めた竹村だけでなく、今回は奈良の有名アマである曽我部光貴も、3人のプロをなぎ倒して5位タイにつけた。西日本プロツアー時代から数えると、あと9戦で西GP連続プロ選手優勝の記録が100回に到達する。この連続記録が樹立するのか、はたまたストップをかけるアマチュア選手が出てくるのか? こうした記録をめぐって話題性のある副賞を用意してみる。なんていうのも面白いのではないだろうか。
※決勝戦の様子は後日
CBNTで配信予定です。どうぞお楽しみに!
by Akira TAKATA