RANKING #4土方隼斗
シーズンもいよいよ終盤となり、クライマックスとなる大会、『第51回全日本選手権大会「寛仁親王牌」』が11月18日(日)から8日間にわたって開催される。日本で唯一のSG1の大会に分類されており、国内のみならず海外からもワールドクラスの選手が集結してくる日本最大の大会だ。そこで今回、「全日本」で活躍が期待されるJPBAランキングトップ5に入っている選手達を紹介していきたい。
4位は1980ptで
土方隼斗
。マスワリ王子という愛称で知られる土方は10歳でビリヤードを始め、ジュニア時代には'05年に『全日本ジュニアナインボール選手権大会』の連覇や、『世界ジュニアナインボール選手権大会』で銀メダルを獲得するなど、日本ビリヤード界の至宝としてテレビやメディアで数多く取り上げられてきた。プロ入り8年目となった'13年、この年に土方は日本人として10年ぶりとなる『ジャパンオープン』優勝という快挙を達成。その他にもJPBA年間ランキング1位、公式戦4大会連続優勝、33試合連続勝利など、華々しい記録ずくめの年となった。
今季の成績は『全日本14−1選手権』『東日本グランプリ第6・第7戦』優勝、『東日本グランプリ第3戦』『東海グランプリ』準優勝、『東日本グランプリ第2戦』『北陸オープン』3位タイなど。
土方はシーズン前半、5月の『全日本14−1選手権』優勝を果たしたが、主戦場であるナインボール・テンボールではなかなか勝てずにいた。しかし、シーズン後半に突入すると9月中旬に行われた『東海グランプリ』で準優勝。続くグランプリ第6戦ではグランプリに限って言えば今季初優勝。また10月第1週に行われた『北陸オープン』では3位タイ、10月末に行われたグランプリ第7戦で連覇を達成するなど、「全日本」の舞台に向けて着実に調子を上げてきている。9月末では6位だったランキングも、10月には4位にまで上昇し、トップ5に舞い戻った。
「全日本」前最後のグランプリ第7戦で優勝。この勢いのまま当日に臨んでもらいたい
これまでの『全日本選手権』の最高成績は'07年の3位タイ。当時土方はプロ入り2年目の18歳であった。ベスト4進出をかけた相手は台湾の張裴瑋。'05年の『ワールドゲームズ』で頂点に立っている文句なしの強豪だ。ここまで土方は外国人選手との対戦が無くベスト8で初めての外国人選手が張となり、観客には不穏な空気が漂っていた。5−5までは互角の展開。勝敗の予想が難しくなるかと思われたがここから土方が独壇場を演じ、終わってみれば11−5。土方の爆発力が光った試合だった。
2年後の'09年大会では成績こそベスト8だったが、ベスト16で今年の9月にジャパンツアーを開催した『ビリヤードの神様』
エフレン・レイズと対戦。この試合では運を味方に付けた土方が全ラック気持ちを緩ませることなく最大限の集中を保ったまま最後はマスワリで締めくくり、11−4で見事神様の試練に打ち勝ってみせた。
'13年'16年には『ジャパンオープン』優勝を果たしている。残すは全日本優勝のみだ
土方が過去の成績を超えるには決勝まで勝ち上がることが最低条件となる。今の土方は実力・実績共に申し分無く、誰が相手でも好試合を見せてくれることだろう。日本最高峰の舞台でのマスワリ王子のプレーに会場で大きな声援を送ってもらいたい。