グランプリ@池袋ロサ
10月28日(日)、東京・池袋の『
ビリヤード・ロサ』で「グランプリイースト第7戦」が開催された。プロ13名、アマチュア3名がナインボール、9ラック先取、交互ブレイクでベスト16から競った。
この日、開始から光るプレーを見せていたのは
津堅翔と
塙圭介だった。津堅は初戦で今年4度の優勝を果たしている
栗林達と対戦。栗林も良いプレーを見せていたが、エンジン全開でレベルの高いゲームを展開した津堅が9−5で初戦突破、次のベスト8では東北代表の
鈴木淳を9−0で完封し準決勝へと駒を進めた。
津堅翔
塙はベスト16で
松田渉を5点に抑えると、ベスト8でアマチュアのジュリアン・セラディラ(東京・Unison)をヒルヒルで下してセミファイナルへ進出した。セラディラは27日(土)のグランプリ予選で
青木亮二、
鈴木清司とプロを連破、本戦初戦でも
東條紘典をヒルヒルで破りベスト8に進出しており、存分に実力を発揮していた。塙とのヒルヒル最終ラック、隠れた4番を空クッションから上手く当て、セーフティで返したセラディラだったが、塙はそれを痺れるようなジャンプショットでポケット。会場を大きく沸かせて9番まで取り切り、プロとしての貫禄を見せた。
グランプリ第5戦でもベスト8入賞を果たしているJ・セラディラ。今回もベストアマ賞獲得
塙圭介
準決勝からは1ラックダウンして8ラック先取となった。塙は鈴木を完封した津堅と対戦。これまでの2人の対戦成績は全7戦の内、塙が6勝している。津堅が白星を挙げたのは、昨年の関東オープン準決勝で津堅が8−0で完封勝利した時のみだ。この日、好調だった津堅がそのまま決勝へ進むかとも思われたが、それはならず。塙が8−3で試合を制し決勝へ進出した。
決勝で塙と対戦したのは、前回の「GPE6」で優勝している
土方隼斗。優勝者シードで出場した土方だったが、初戦からリードされる展開が多く見られた。
土方隼斗
西尾祐とのベスト8では、一時西尾リードの6−2まで差が開いた。しかし、第9ラックから西尾にミスが目立ち始める。そのミスをしっかりと拾った土方が7ラック捲って9−6で勝利した。続く準決勝で、土方は
内垣建一と対戦した。終盤までタイスコアのまま競る展開となり、6−6で迎えた第13ラックで土方がブレイクからランアウト、リーチをかけた。第14ラックの内垣のブレイクは僅かに足らずイリーガルの痛恨のミス。土方が9番まで沈めて決勝へ進出した。
決勝バンキング
塙と土方のカードとなった決勝戦。中盤までは点を取り合い競る展開が続いた。しかし、そこから塙にミスが出始める。一方の土方は塙のミスを拾いつつ、自身は的確なプレーで点を稼ぎ、最後は8−4で優勝を果たした。土方はこれで「GPE6」の優勝と合わせてGP2連覇を達成した。
今大会では、「ミスの差」が大きく勝敗を左右する様が形となっていたように見受けられた。土方が対戦相手にリードを許しながらも決勝まで勝ち抜いたのは、苦しい展開の中でもシュートミスだけは出さなかったことが大きいように感じられた。自分のプレーに集中し、相手にミスが出ればそれを逃さない、そうやって土方が自分のプレーを貫いた結果が今回の2連覇だろう。
左から、3位タイ・内垣建一、優勝・土方隼斗、準優勝・塙圭介、3位タイ・津堅翔
この日、会場を同じくして「東日本グランプリクイーンズ」が開催されていた。公式戦ではないが、女子のグランプリとして昨年もGPEと同時開催されていた。今年は
栗林美幸、
梶谷景美、
曽根恭子、
土師理恵子、
府川真理、
後藤田佳奈、
野内麻聖美、
宮坂美香の8名が出場。ナインボール、7ラック先取、交互ブレイクで「GPクイーン」の座を争った。その中で栗林美幸が優勝を果たした。栗林はベスト8から後藤田佳奈、土師理恵子を制し、決勝へ進出。男子グランプリの決勝と同時に開始した決勝でギャラリーが盛り上がる中、梶谷景美を7-2で下し表彰台の頂上に立った。栗林の失点は、対戦した3選手を合わせても5点。安定した強さを見せた。
栗林美幸
左から、3位タイ・土師理恵子、優勝・栗林美幸、準優勝・梶谷景美、3位タイ・府川真理