いざ、初陣!
西田さんの特訓を受けた翌日、撞球部は遂に初試合の日を迎えた。1日中試合を続けたらしく、この日も朝から晩まで球を撞き続けてしまった部員達。ハンデありの持ち点制で行った試合は、最終的に90−54で清交社の勝ちで終了した。勝ち点2点、両者勝ちの場合は1点だったというのだから、意味がわからない試合量である。
いざ、出陣!
真剣に試合に臨む清交社の方々
初めて試合の雰囲気を味わった撞球部の面々。仲間と楽しく撞くのとは違い、体が思うように動かなかいといった試合の緊張感は、今後大会に出場していく上で大きな経験値となったはずだ。また、レフリーと得点係の試合運営も当然初めてだったため、社交倶楽部同士で対抗戦をしている清交社の円滑でしっかりとした運営は参考になったようだ。
清交社での2日間は、四ツ球のマナーを学ぶ場としても良い機会となった。ジャケットに革靴とフォーマルなドレスコードがある社交倶楽部。入館にあたり、撞球部の面々はブドウ畑の収益で作ったユニフォームを早速着る機会を得た。「ビリヤードはマナーを大切にする競技です。礼儀作法に重きを置く社交界でそうしたマナーに触れることができたのはとても良いことでした。学生達はマナーよくマナーを学べたのではないかと思います。」
クールビズ期間中ということと、学生に余分なプレッシャーを与えないようにとの配慮から清交社メンバーはいつもよりカジュアルに対応
夕方5時まで続いた試合で、清交社のと撞球部の面々はすっかり打ち解けたようだ。試合中は集中し言葉を交わすことはなくても、試合が終わると「さっきの球は〜」「こういうのもあるよ」と清交社の先輩達から教えてもらったり、さながら祖父母と孫のように和気藹々と過ごした様子だ。
「学生達がとても楽しそうでそれが何より良かった」と杉山顧問
「顧問としては、『マナーとルールを大切にする社交界の四ツ球というものがある』というのを学生達に知ってもらいたかったので、対抗戦を提案して頂けたことは大きな収穫でした。同時にビリヤードをすれば学生も社交倶楽部の方々もみんな同じで、それは見ていて感動的でした。年齢も違えば四ツ球をやっている年数も全然違う、学生は学生だし一方で清交社の方達は社会で長く活躍していて地位のある方も多い。普段接点のない両者でも、ひとたびテーブルを囲めばビリヤードを共通言語として、何の違いもなく交流できるというのはとても良かったなと思います。」
ひたすら球を撞き続け、ビリヤード漬けの2日間を送った部員達。しかし、午後5時の解散後も撞球室に残って練習をする姿があった。年齢が近く上手な西田さんや、清交社の方々との試合を通して、四ツ球の面白さをしっかり捉えたようだ。「四ツ球はキャロムビリヤードの入り口として間口も広いし奥行きもある。大阪は四ツ球が盛んで、社交界で対抗戦があったり市井の人達が撞いてる球屋さんがあったり、山梨の私達からしたらそれがとても新鮮で。学生達はめちゃくちゃ楽しんでいたし、四ツ球のコンテンツとしての質の良さを感じました」と杉山さん。
10月は「全日本レディース四ツ球選手権」が東京で開催される。初試合を終え、次は公式戦への出場を視野に入れる撞球部だが、「全国クラスはまだまだ厳しいレベル」ということで、来年2月の「第69回全関東クラス別四ツ球大会」でのデビューを予定している。ただ、「全日本レディース」には大阪でお世話になった西田さんが出場する予定らしく、応援遠征を考えている。
いつも笑顔がすてきな部員達
今後の予定としては、他には「できれば広島の『
Cueキュースポーツセンター』や愛知県名古屋の『
ドクターキャロム』にも遠征できれば」ということで、未定ではあるが四ツ球遠征はまだまだしていく考えだ。撞球部の活動はtwitterとブログにて追うことができる。