河原千尋 不動の1位
日本プロビリヤード連盟(JPBA)に所属するビリヤードのプロは、毎月あちこちの試合に出かけて頂点を目指す、ビリヤードを極めた達人たちだ。そんな彼らの間にも順位が存在する。
JPBAが制定するプロランキングは、「常に12ヶ月分の全国対象ポイントと東西換算ポイントを加算した点数にて順位を決定」していて、例えば2018年5月ランキングの場合、2017年6月〜2018年5月に行われた大会が対象となっている。
今回はそんなトップの中のトップ、5月末時点のJPBA女子ランキングのトップファイブを紹介する。
ランキング1位は言わずもがな河原千尋だ。2013年よりランキング1位に鎮座し続けている河原は、今年もその座を譲る気はないらしい。2440ポイントを獲得し、2位以下と260ポイントの大差をつけて現在も女子プロトップを独走中だ。
この1年間の優勝は3回。昨年は6月の関東レディースオープンと今年の関西レディースオープン、そして全日本女子プロツアー第2戦だ。海外遠征も積極的にこなす河原は、昨年のチャイナオープン、そしてワールドゲームズでベスト8に入賞している。
2016年のプロデビューを飾った関東レディースオープンで優勝を果たし勢いのあるスタートを切った平口結貴。その勢いはまだまだ増している。
国内のポケット2大大会と言えば、7月のジャパンオープンと11月の全日本選手権だが、昨年の平口は前者で優勝、後者ではベスト8に入る成績を残した。それだけでなく、公式戦ベスト8以上の入賞はこの1年でトップ5の誰よりも多い10大会に昇り、アベレージの高さを示す。2018年に入ってからは、1月の女子プロツアー第1戦と、その翌週に行われた関西レディースオープンでの準優勝が最高成績で、まだ優勝はない。2180ポイントで2位につけた平口。下半期に期待がかかる。
昨年の全日本選手権では女子世界ランキング1位
陳思明と決勝で当たるも敗れ、準優勝に終わった栗林美幸は、1900ポイントで3位にランクインしている。ストイックに「自分の球を撞く」プレーで昨年10月のの九州レディースオープンと先月の大阪クイーンズオープンで1位の座を射止めた。ジャパンオープンでは3度優勝している栗林。今年のJOではどんなプレーを見せてくれるのか。
ランキング4位につけたのは、2011年にプロ入りした久保田知子だ。2016年の全日本女子プロツアー第1戦で公式戦初優勝を果たした彼女にとってランキング4位は今の所最高順位だ。女子プロツアー第1戦と関西レディースオープンでベスト8入賞を果たした今年の1月末の時点でランキング4位を記録しているが、その前は2016年の4月まで遡る。
先月の大阪クイーンズで準優勝した久保田は、その後使用バットをプレデターのIKONシリーズに変えている。「自分に合っていることが一瞬でわかるくらいピッタリだった」らしいので、ニューギアを手にした彼女の活躍にも注目だ。
ランク5位は女王・梶谷景美。1730ポイントで4位の久保田に20ポイント差と迫る。この1年間優勝こそないものの、9月の東海レディースオープンベスト4から始まり、ベスト8が5回、そして今年4月の女子プロツアー第2戦は準優勝している。2月には、公式戦通算100戦や、長年に渡るビリヤード界への貢献に対して「JPBA特別功労賞」が贈られている。プロ入りした1990年から2015年まではランキングのトップ3に常駐していた彼女は、「自分への期待が持てる間は辞められないですね」と語る。
次の女子ポイントランキング対象の試合はこの週末に東京・大森の『キャノンボール大森』で開催されている『全日本女子プロツアー第3戦』だ。上記のトップ5の参加も決まっている。今年の女子プロツアーは、第1戦は夕川景子が4年半ぶりの公式戦優勝を果たし、第2戦は先に述べたように河原が関西レディースオープンに続く2勝目を挙げている。7月にはビッグタイトル・ジャパンオープンが待ち構えている。