準決勝で中国Bをヒルヒルで下したオーストリアのアルビン・オーシャン(左)とマリオ・ヒー(右)
決勝日の午後に行われた準決勝は、中国A vs 台湾、オーストリア vs 中国Bという組み合わせになりアジア勢の活躍が目立った大会となった。その中でオーストリア vs 中国Bの試合では、中国のWang Ming がヒルヒルの9番を飛ばすミスでオーストリアが勝ち上がるという一幕が見られた。
中国BのKong DejingとWang Ming。上海を拠点にする2人は3位タイで大会を終了
迎えた決勝戦、初点を奪ったのはオーストリアだったが、その後リードを取ったのは中国だった。4-2で迎えた第7ラック、中国のファウルからオーストリアが1点返し、これから巻き返そうという次ラックでオーシャンが痛恨の9番ポジションミス。ヒーが沈められなかったその9番を、劉海濤がきれいな縦バンクで決めて勢いは一気に中国へと逆戻りしたように見えた。その流れが決定付けられたのは5-3で迎えた次の第9ラック。セーフティ合戦となった1番の5イニング目、オーシャンのジャンプが甘く残ると中国ペアはそこからオーストリアに撞く機会を与えずにゲームボールまで到達し、3度目のワールドカップ優勝を果たした。
結果は10−3。試合後大会史上初の防衛を逃したオーストリアのアルビン・オーシャンは、「中国ペアはとにかく良いプレーをしていました。準決勝でも波に乗っていたので、決勝でも存分に実力を発揮してくるだろうと思っていました。(オーストリアにも)チャンスはあったけれどそれを活かせなかった、そういうことです」と試合を振り返った。
見事優勝を果たした劉海濤と呉珈慶のペアは賞金60,000USDを獲得した。中国にとってはこれが2009年のフィリピン大会、と2014年のイギリス大会に次いで3度目の優勝で、フィリピンと並んだ。呉珈慶は「劉海濤とペアを組んだのは初めてで、最初の数試合は上手く噛み合わず大変でした。しかし、決勝では素晴らしいプレーが出来たと思います」と喜びを表していた。